私には、大切にしている「魔法」がある。ひとつは、自分がつらい時や悲しい時に、心を元気づける魔法の言葉「なんくるないさ!」だ。すでにこの言葉を使っている人にもぜひ伝えたい。実は、この魔法の効力をさらに高める秘訣がある。それは「なんくるないさ」を単なる「何とかなるさ」と受け取るのではなく、「くじけずに正道を歩み続ければ、必ず良い日が来る」という意味で捉えることだ。ここで言う「正道」とは、自分が目指す道を意味している。他人とのバランスを保ちながら、自分にとって本当に大切なものを追い求め続ける、その姿勢のことだ。もうひとつの魔法は、周囲の人の心を癒し、自分との関係性を深めてくれる言葉「大変だったね。」だ。誰かが悩み、つらい思いをしているとき「大丈夫?気にしないで」と声をかけるのと「大変だったね」と寄り添うように言葉をかけるのとでは、どちらが心に響くだろうか?「大変だったね」という一言には、相手の気持ちに同じ目線で寄り添う魔力がある。他のどんな言葉よりも、人と人との絆を深めてくれる、優しい魔法なのだ。お互いにそうやって心を通わせることができたら、この魔力はさらに強くなるに違いない。最近、アニメ『葬送のフリーレン』にはまっており、そこに登場する「フランメの魔導書」になぞらえて、今回、話してみた。皆も、自分を元気づけたり、人を励ましたりする“魔法”を、自分なりに編み出してみてはいかがだろうか。