私が社会人になったのは40年前。当時のパソコンは現在と比べて非常にスペックが低く、メモリは768キビバイト(KiB)、ハードディスクは5MB程度のDOSマシンだった。私が入社したのは組み込み系の会社で、新人教育では8086アセンブラとC言語を学んだ。コンピュータの世界は変化が速く「エンジニアは30歳が定年」という説も当時はよく耳にした。若いころに身につけたスキルが通用しなくなり、年齢を重ねると管理職や別の職種への転身を余儀なくされる、という考え方である。幸いなことに、アセンブラやC言語は組み込み系の現場で長く求められるスキルであり続けた。アセンブラは50歳ごろまで、C言語は60歳ごろまで業務で使い続け、エンジニアとして仕事を続けることができた。変化の激しい業界とはいえ、すべてがすぐに陳腐化するわけではなく、長く通用する知識も確かに存在する。現在の新卒研修では、JavaやVBAを学ぶ機会があるだろう。これらは30年ほど前に登場した言語だが、今も現場で広く使われており、しっかり身につければ長く役立つスキルだと思う。私もTWSに入社してからVBAの勉強を始めた。若い人のようにすぐに覚えるのは難しいが、地道にしっかりと身につけていきたいと思っている。