私の趣味の一つにTRPG(テーブルトークRPG)がある。これはゲーム機を使用する訳ではなく、ゲームマスターとプレイヤーに分かれ、会話を通じて物語を進行させるアナログゲームだ。プレイヤーは自由にキャラクターを作成し、ゲームマスターが用意したストーリーを体験していく。その自由度の高さが魅力だが、人間同士のやり取りで進行するため、トラブルが発生し、ゲームが中断することも少なくない。以前に、私がゲームマスターを務めた際、相手と自分の間にある情報量の差を考慮せず進行してしまった結果、プレイヤーが困惑し、ゲームが思うように進まなかったことがあった。最終的に軌道修正を図りゲームを終えることはできたが、満足のいく内容にはならなかった。この経験から、成功には「相手の情報量に合わせて話すこと」や「相手の立場になって考えること」が不可欠であると学んだ。この教訓は仕事にも通じる。自分が知っている情報でも、相手は知らない可能性がある。情報共有が不十分なまま話を進めると、認識のズレや誤解が生じ、トラブルを招きかねない。そのような事態を防ぐためにも、相手の情報量や理解度を意識しながら伝えることが重要だろう。