最近、読書がライフワークになりつつある。特に、江戸時代から明治、大正、昭和に至る歴史に関する書物を手に取ることが多い。この時代を選ぶ理由は、学校で学んだ授業ではこれらの出来事が最も簡略化されており、理解が浅かったためだ。そのため、自然とこの時期の歴史に触れることに興味が湧いている。先日、高校生向けの日本史教科書を手に取り、興味のある時代を読んでみたところ、自分が知らない事柄があまりにも多いことに驚かされた。また、最近岩手への出張が増えたこともあり、岩手出身の歴史的人物に関心が高まっている。その中でも、原敬氏と米内光政氏の二人が特に印象的だ。原敬氏は、貴族や薩摩、長州出身者が多かった官僚の中で、平民出身ながら総理大臣となり、爵位を断り続けたことから“平民宰相”と称された人物である。残念ながら東京駅で暗殺されてしまったが、もし昭和の時代に彼が首相であったならば、戦争を回避できたのではないかとも言われている。一方、米内光政氏は軍人出身で総理大臣も務めた人物である。彼は自身が総理大臣の頃、日独伊三国同盟に山本五十六氏らと共に反対したものの、失敗し内閣総辞職に至った。しかし、第二次世界大戦中には周囲の要請を受けて海軍大臣に復帰し、戦争終結に向けて大きな役割を果たした。歴史に“たられば”はあり得ないが、異なる時代に生きていればどのような展開があったのかと想像を巡らせるのも、歴史を学ぶ醍醐味の一つであろう。土壌も上がると相手のレベルも上がる。オフタイムでの会話で相手の器が分かるものだ。皆がこのような知識を得る努力をすることで企業レベルを上げていってほしい。