植物の特性から、組織のコミュニケーションにおいて学べることがあると私は思う。まず、組織間コミュニケーションについて、ある研究によれば、植物は葉が虫に喰われるなどのストレスを感じると、超音波や香り物質を発することで周囲の植物に危険を伝達するという。この情報を受け取った植物は防御を開始するが、これは組織内のインシデント報告に似ている。個人が危機的状況に陥った場合、迅速に情報を伝達し、組織全体で備えることが組織の存続につながる。次にセルフコミュニケーションについて。植物は自分の根、茎、葉、花、果実の間で情報をやり取りしている。体内で信号が伝わる仕組みは私たちの神経系とは異なるが、互いに危険や環境の変化を感知し合い、対応していることは一緒だ。組織でも、一人ひとりが業務における脅威に対して危機感を持ち、自己の行動をセルフスキャンする意識が大切だ。最後に、外部媒体を利用したコミュニケーションである。植物は菌類と共生し、根を通じて他の植物とつながり、情報を伝達するネットワークを持つ。これにより、栄養を共有し合い、日陰でも日向の植物と同様の生育を支え、活動域を増やしている。このように、組織でも利益だけでなく周囲を助ける意識を持ち、辛い時には助けを求め、全員が「当たり前」を実践できるようにすることで、チームとして機能する「優秀な組織」を形成できるだろう。