私は昔、上司から叱られるたびに「悔しくないのか?」と問われてきた。仕事の内容によっては悔しさを感じないこともあったが、自分で完璧だと思っていた仕事に対して「ここがダメだ」「こうした方がいい」などと指摘されたときは、本当に悔しい思いをした。今でも失敗すると「なぜもっとしっかり見直さなかったのだろう」と悔しさを感じる。悔しいと感じるのは、できなかった自分への後悔だ。この後悔を防ぐには、仕事の内容を丁寧に咀嚼し、要求事項を正確に把握することが大切だ。また、相手の立場に立ち、要求を一つひとつ精査し、成果物を繰り返し確認することが求められる。皆は上司に叱られたとき、本気で悔しいと思っているだろうか。この「悔しい」という気持ちは成長の原動力であり、同じ過ちを繰り返さないために重要だ。完璧な仕事など簡単にはできないし、ミスは誰にでもある。しかし、悔しい気持ちが自然に湧いてくるほど真剣に取り組み、振り返りを徹底することが大切だ。これまで真剣に取り組んできた仕事ほど、失敗したときに悔しいと思ったはずだ。これからの仕事でも同じように真剣に取り組み、後悔のないよう努力したい。そして、自らの失敗を正し、後輩や同僚にとって頼れる先輩でありたいと強く思う。