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3分間スピーチ

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アンサーファーストの落とし穴

S・Oさん(♂)

仕事上のコミュニケーションで皆もよく「結論から述べよ」という言葉を聞くと思う。この「結論から述べる」という行為は「アンサーファースト」として世間一般によく知られているようだ。会話には「事象」「理由」「結論」の三段階のステップに分かれるとされているが、この順番通りに話すと得てして、話が逸れたり、時間がかかったりしてしまうことがあるために、結論から述べる方がスムーズだとされている。しかし、例外的な場合もあるという話を先日聞いた。それは、話し手と聞き手の理解レベルが違う場合だ。理解のレベルが同じ場合とは、例えば上司から部下へ作業を指示した場合である。この場合は、部下は作業を報告する際には「できました」あるいは「できませんでした」と「結論」を述べてから、何が良かったのか悪かったのかの「理由」、その原因は何かという「事象」を説明した方がスムーズだ。その反対、例えば自社製品の営業に行った場合等を想定する。この場合に結論である「うちの製品を買ってください」から入ることが良いと思う人は少ないのではないだろうか。お客様はその製品について何も知らないのに結論から述べられても、判断する材料がなく困ってしまう。まずは、他社と比べて何が優れているのかを説明し、判断できる材料を与えてから、結論(=買ってください)に繋げなければならない。このように、話し手と聞き手の理解のレベルで話の組み立て方を変えるのが効果的である。これは極端な例ではあるが、シチュエーションに応じて上手に使い分ける必要があるだろう。