最近、私は読書にはまっており、中でもSF小説を特に愛読している。現代のホットな話題であるAI技術を例に取ると、私たちは多くの場合「何かを調べる」や「業務を効率化する」といった実用的な用途に目を向けがちだ。しかし、その技術が社会の風景や人々の暮らしにどのような変化をもたらすのかについてまで、深く想像する機会は少ない。一方、SF小説は、技術の発展がもたらす社会の姿を鮮やかに描写する。例えば、とあるSF小説には「巻貝」と呼ばれるアイテムが登場する。この装置は耳に装着することで、離れた人と会話をしたり、好きなタイミングでラジオを聴いたりできるものだ。作中では、この「巻貝」を四六時中耳に付けた一般人が描かれ、他者とのコミュニケーションが希薄になっている様子が克明に表現されている。この描写は、現代社会におけるスマートフォンやイヤホンの使われ方を彷彿とさせる。SF小説を通じて、普段の技術的な視点とは異なる角度から未来を見つめることができる。技術者として、常に進化するIT業界に携わる以上、こうした異なる視野を持つことは重要だ。視野を広げるための一歩として、皆にもぜひSF小説を手に取ってみてほしい。