ダーウィンの言葉「変化する者だけが生き残る」は、私がこれまで経験してきたことと重なる。20年前、テレビ番組の制作会社に入社した当時、業界は活況を呈しており、多くの専門スタッフがそれぞれの役割個々に担っていた。しかし、数年が経つと広告収入が億単位であった予算が縮小し数千万円単位に。制作現場では、スタッフが兼業を強いられるようになった。カメラマンが音声や照明を兼任し、ディレクターが台本を書き、最終的にはカメラも回すようになった。「デジカメの操作がわからない」などと言っているディレクターの仕事は当然減った。さらに予算が削られ、数百万円まで縮小すると、ディレクターは編集まで担当するようになった。そして編集ソフトの操作を学ばない者は業界から姿を消していった。この変化に適応できず去っていったのは、主に40代、50代の年配ディレクターたちだったように思う。私自身もその年齢に達し、今、新たな変化を目の前にしている。それは生成AI技術の導入だ。5年後には、YouTubeやネット上の多くの動画がAIによって制作されると言われている。私もこの新技術を学び、次の時代に適応する努力をしなければ、生き残ることはできないと強く感じている。