あるテレビ番組の「赤字解消のおいしい話があるので乗らないか」という企画で、赤字続きの商店街の団子屋さんがターゲットになった。内容は「団子」ではなく「肉まん」を売るというシンプルなもので、以下のようなメリットがあった。第1に、季節に適した商品であること。第2に、既存の機材を活用でき、原価がわずか40円に抑えられること。この企画は過去にも行われており、夏場にはアイスクリームを販売する試みがあったが、製造機のレンタル料が高く、十分な利益を上げるには至らなかった。今回は、すでに蒸し器がある点や、材料費のみで製造可能な点で期待された。今回は、5日間で利益が出るかを検証することだった。結果として、1日目と2日目は数個の売上に留まったが、3日目以降に売上が急増。最終日には100個を超える販売数を記録し、好評を博した。この番組を見て、いくつかの重要なポイントに気付かされた。まず、商品自体が団子屋の特色を生かした独創的なものであったこと。さらに、売上急増の背景にはSNSの活用があったことも見逃せない。店主は売上の増加を見越して、在庫の拡充、蒸し器の追加、肉まんを強調したのぼりや看板の設置など、迅速かつ柔軟に対応した点が非常に印象的だった。今回は商店街の小規模店舗が対象であったが、このようなスピード感を持った対応は企業にとっても極めて重要である。さらにSNSを効果的に活用することで、売上拡大の可能性を一層高められると感じた。