「昔はすごいと思っていたけど、今考えるとそこまででもなかったな」と思うものはあるだろうか。私がふと思い出したのが、ガラケー時代の「赤外線通信」である。友達と連絡先を交換するとき、お互いの携帯電話を向かい合わせて、赤外線でピッと送る。今考えると、単に連絡先を送っているだけなのだが、当時は「携帯電話同士でデータを送れるなんて、すごい!」と、かなり未来の技術のように感じていた。ところが今では、スマートフォンを使えば、連絡先だけでなく、写真や動画などさまざまなデータを簡単に共有できる。そもそも「赤外線通信」という言葉自体を、最近ではあまり聞かなくなった。少し前まで「すごい!」と思っていたものが、いつの間にか普通になり、さらに新しい技術へと置き換わっていく。例えば今では、スマートフォン1台で、電話、カメラ、地図、音楽、動画、インターネットなど、昔ならそれぞれ別の機械が必要だったことのほとんどができてしまう。最近ではAIも急速に普及している。今は「AIに質問すると答えてくれる」というだけでも便利で驚くことがあるが、10年後、20年後には、それすら当たり前になっているかもしれない。逆に、今私たちが当たり前に使っているものを見て、未来の人が「昔はそんなものを使っていたの?」と驚く可能性もある。仕事においても、長く続けていると「昔からこうやっているから」という理由で、いつの間にか当たり前になっている作業やルールがあると思う。もちろん、これまで続いてきたことには、それなりの理由がある。ただ、ときどき「今ならもっと簡単にできないか」「このやり方は本当に今も必要なのか」と見直してみることも大切なのではないだろうか。昔の「未来」が今の「普通」になったように、今の「普通」も、いつかは変わっていくかもしれない。変化をただ受け入れるだけでなく、少し先の未来を考えながら、仕事のやり方も見直していくべきだろう。