いつも参加しているあるイベントがある。いつもより少し来場者の年齢層が高いなと思っていたのだが、突如、客席の一角が慌ただしくなった。目をやると、一人の高齢女性が体調を崩していたようだった。スタッフが慌てて救急車を手配する中、お客様の中に元看護師の方がいて対応してくれ、その姿はとても心強かった。一方、つい先ほどまで、他のご友人やご家族と一緒に楽しく観覧していたのが一転、私は救急車を呼ぶ事態に発展してしまうことがあるという事実を目の当たりにして動揺してしまい、何もできず、邪魔にならぬよう静かに見守るしかなかった。後に聞いたところによると、その方は無事に一命を取り留め、歩いて帰宅したという。人はいつ、どうなるか予測できないと分かってはいても、日常の中でつい忘れてしまうものだ。私の両親や祖父母は今も元気だが、それが永遠に続くわけではない。会えるうちに会い、親孝行しなければと改めて感じた出来事だった。