先日、一人暮らしをしていた母が亡くなり、その後の手続きの中で多くのことを考えさせられた。母は亡くなる当日の午前中は友人とお茶会を楽しんでいたそうなのだが、夕方に急変してそのまま帰らぬ人となった。知らせを聞きつけ駆けつけたが既に話が出来る状態ではなかった。その為、葬儀後に保険や銀行口座、携帯電話の解約・更新などの手続きを進める中で、必要な情報を探し出すところから始めることになり、かなりの時間を要した。特にデジタル関連の手続きでは、ほとんどがパスワードを求められるため、それがわからない場合には続柄を証明する書類の準備が必要となり、手間だけでなく費用もかなりかかった。この経験を通じて、自分自身もいつ何が起きるかわからないという現実を改めて実感した。そして、残された家族が困らないよう、日頃から準備をしておくことの大切さを強く感じた。具体的には、パスワードのメモを残したり、エンディングノートを作成するのが有効だ。ただし、パスワードなどの情報は生きているうちは周囲に知られたくないものだ。そのような場合には、コインで削ると表示される保護シールのような製品を活用するのも一つの方法だ。普段は気づかず過ごしていることでも、こうした出来事を通じて改めて考えさせられることが多かった。日々の生活の中で、必要な準備を少しずつ進めていきたい。