新卒研修の時に「三人のレンガ職人」の話を聞いた。ご存知の方も多いと思うが、ある旅人が一人のレンガ職人に出会った際、何をしているか尋ねたところ、一人は「親方から言われたからレンガを積んでいるんだ。暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」と答えた。違うレンガ職人は「壁を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金が良いからやっているのさ」と答えた。また違うレンガ職人は「後世に残る大聖堂を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」と答えた、という話であり、同じ仕事をしていても、言われたから作業をする人、お金の為だけに仕事する人、その仕事の意義を理解し夢をもって仕事をする人と様々なのだ。新卒研修で聞いた時は、その研修期間に各部署を見学した際に感じた、みんなが明るく元気に働いている部門と、殆どの人が暗く下を向きながら働いている部門を思い出し、皆で明るく夢を語れるような職場に配属されたいなと思っただけだった。時が経ち、管理職研修を受けた際にも同様の話があった。教育担当者から、この話の後「ここにいる管理職の皆様は、この話を覚えていますか?」と聞かれ、全員が覚えていると答えた後、その教育担当者から「大丈夫ですか?今からは私は、皆様の部門に聞き、部下の方々に、今何しているの?と聞きますよ」と言われたことを未だに覚えている。管理職は、形式的な会議の開催や単に作業の指示を部下に与えるのではなく、ビジョンや戦略的な考え方を部下に伝え、夢を持って仕事をする人財を育成することが重要なミッションであり、社員は、どのような仕事をしたいのか、どのような人間になりたいのかを明確にし、自分の夢や希望を積極的に上司に伝えることが、チームビルディングに欠かせない要素であると考える。強い組織を作るためには、本質的な信頼関係を確立することが重要である。