「蒼穹の昴」という小説をご存知だろうか。清朝末期の中国が舞台の歴史小説なのだが、その中で伊藤博文が言った言葉で記憶に残っているものがある。「人は信ずべし 人は信じるべからず」この相反する言葉が混在する意味を、20代の私ならわからなかっただろうが、今ならすっと理解できるように感じる。経験の差によって理解度が違ってくるのであろう。キャリアパスを意識している社員も多いかと思うが、これは知識と経験がセットになって初めて意味を成すものであり、どちらかが欠けていてもいけない。新入社員の皆さんは今、研修でたくさんの知識を吸収していることだろう。多くの経験を積むには、人の嫌がることを自ら進んで取り組むのだ。大抵は面倒なことや難しいことを嫌がる。しかし、そういうものほど大きな収穫を得られることが多いからだ。「私にやらせてください」と自ら積極的に取り組むことで経験を積んでいってほしい。