私が学生時代で野球をやっていた頃、知人の学校と試合を行い、勝つことが出来た。勝ったチームがグラウンドを整備するのが慣習であったので、私が掃除器具を持ってグラウンドに行くと、負けたチームの知人がグラウンド整備を行っていた。私はつい「勝ったチームのやることだから代わる」と言ってしまったのだが、彼は、私にふっと顔を向けこう言った。「勝った負けたの問題ではない。試合でお世話になったグラウンドに感謝しながら整備することで、気持ちを切り替えて次に進めるのだ。」と。それを聞いた私は、何も言えなくなった。物に感謝するという考えに非常に感銘を受けたからだ。その日以来、私は、グラウンドはもちろんのこと、使用した道具の整備にも気持ちを込めるようになった。この精神は、今の私の日常にも生きている。